2026年9月11日金曜日

映画「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」

 「ところでアレン、君はなぜ人を殺したんだね?」「戦争だから」「殺さなければ殺されていたから」物語は、戦場で犯した罪によってトラウマに苦しみ続けるアレン・ネルソンと、治療法が確立されていない中、戦争が人に与える精神的苦痛の軽減方法に手探りで向き合い、辛抱強く患者に寄り添い続けたダニエルズ医師との対話を描く。そして、家庭を破綻させてでも、己のベトナム戦争体験を語り続ける道を選んだ後年のアレンの活動にも迫っていく。まだPTSD(心的外傷後ストレス障害)という言葉すら存在しない時代だ。ベトナムから帰還後家を追い出され、ホームレスになったのは、まだ23歳になったばかりの頃。そんな彼を地獄のどん底から少しずつ救い出したのは、退役軍人病院で出会ったダニエルズ医師のカウンセリングと、自らの過ちを告白し、戦場で何が起きていたのかを大勢の聴衆に話す活動だった。「加害者の視点から戦争の恐ろしい現実と拭いきれない精神的痛みを綴った自伝を読み映画にしたいと思ってから、7年から8年かかった」と監督の塚本信也さん。ネルソンさんは自分がやったことを話すことでPTSDがなくなっていった。日本でも戦後精神を病んだ人がたくさんいたが、カルテは軍から焼却を求められ、隠された。「語ることができなかったことで、日本全体でPTSDが残ったままだ」とネルソンさんは言っていたという。今年の戦没者追悼式で高市首相は「反省する」という言葉を使わなかった。世論調査で使わなかったことを評価すると答えたのが若い人ほど高く30代以下で61.3%だった。戦後ドイツは深い反省を形にしてきた。一方日本は心からの謝罪があっただろうか。あったことをなかったことにするということは、全く反省せず、また同じことを繰り返してもいいということか! それにしても上映される映画館が少なすぎる。(T

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