2025年10月10日金曜日

「翠雨の人」・・・研究者 猿橋勝子の生涯に感銘

 猿橋勝子((1920年~2007年)は、大気と海の放射能汚染などの研究にその生涯をかけ、初の日本学術会議女性会員に選ばれ、自身も「猿橋賞」を創設し、女性の自立と後進の育成に尽力した女性科学者の先駆けである。第5福竜丸の「死の灰」を分析したことをきっかけに核実験による放射能汚染の深刻な影響を突き止め、部分的核実験禁止条約締結に大きく貢献。国際民婦連世界大会で「核兵器のもたらす災害について、誰よりよく理解しているのは我々科学者であり、科学者にはそれを全人類に伝える義務があります。科学者の最も尊い職務は、人類の幸福と平和に貢献することであり、科学を人間の殺戮と文明の破壊に使わせないことです」と演説している。猿橋勝子という生き方・哲学に強く共鳴した。「雨はどうして降るのだろう」と問うた女の子が、キュリー夫人に憧れ化学に一生をかけた生涯を描いた「翠雨の人」一押しです。著者伊与原新氏は、祖父が海陽町出身であり、直木賞を受賞した短編「藍を継ぐ海」は、県南部のウミガメ産卵地が舞台となっていることもあり徳島県にゆかりがある。個人的には、NHKドラマ[空わたる教室]でファンになった。(S)



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