2020年7月9日木曜日

資本主義の終わりか、人間の終焉か?未来への大分岐

 新婦人しんぶん(6月25日付)の一面に載っていた、斉藤幸平さんのインタビュー記事を見て、早速、著書『資本主義の終わりか、人間の終焉か?未来への大分岐』を読んだ。マルクス・ガブリエル、マイケル・ハート、ポール・メイソンという哲学や政治学、経済学の分野で世界的な識者との対談形式で、展開されていた。三人三様に、資本主義の矛盾が人々にもたらす困難と、民主主義の危機をとらえ、今、大分岐のときだという。その課題解決のために、カール・マルクスの残した書物に方向性を見いだしていることも特徴的。対談をまとめた斉藤さんは、『それぞれ視点や力点は違ったとしても「自由、平等、連帯、そして民主主義」という価値に重きを置くことは、全員に共通していた。』と書いている。今の危機を救うには、上から社会を変えるのではなく、社会運動で変えることでなければ、乗り越えられないのだと言える。また、先週号のしんぶんには、ブラック・ライブズ・マターの運動をしているカーリン・グリフィス・セクーさんのお話が載っていた。人種差別は、資本主義の経済的暴力がもたらしたものであり、資本との関係を見直し、つながり合い依存しながらみんなが繁栄するような別の経済のあり方を考えるときだと話していた。世界中で資本主義から次の時代へと運動が始まっているのだと感じた。(O)

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