2020年10月15日木曜日

学問の自由を侵害する菅政権

 菅政権が発足して、1ヶ月も経たないのに、もう本質が明らかになってきた。政治姿勢が、まず「自助」だということに、寒気がした。政府の方針に異議を持つ人は、官僚を辞めてもらうと堂々と言う。もう、「上から目線」が板についている。そして、10月に入るなり、日本学術会議の推薦会員6人の任命拒否。理由は、「総合的・俯瞰的」という抽象的表現を繰り返すだけ。でも、国民はみんなわかっている。安保法制や共謀罪などに反対したからだということを。学問研究は、政府がどういう政策を進めようが、真理を探究していくものであるし、意見の違いは議論をたたかわせて解決するのが民主主義の基本では・・・!まさに、恐怖政治の宣言だ。こんなことを許していては、日本は、滅びるのではと心配で仕方がない。この事件で、私は、安斎育郎さんのお話を思い出した。1960年に、原子力産業に必要な専門家を育成するために、国が作った東京大学原子力工学科の1期生だった安斎さんは、原子力の安全性に疑問をなげかけ、1人だけ国の原子力政策に批判的な立場を取った。以降、東大の研究者であった17年間ずっと助手のままで、東電からの見張り役が張り付いていた。原発を批判する研究者の声を黙殺してきた結果が、福島第一原発の大事故だったのではないかと思う。日本学術会議は、軍事研究についての検討委員会も設置されているそうだ。これにも、政府による研究の介入が著しく問題が多いと批判する研究者の声明も出されている。安倍政権から続くこの国難を早く変えなければと強く思っている。(O)

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