2025年11月21日金曜日

初の女性総理の誕生、本当にめでたいのか?


 世界のジェンダー平等施策の基本的考え方はDEI。  D(ダイバシティ;多様性)  E(イクォリティ;平等性)  Ⅰ(インクルージョン;社会的包括)。  アメリカではトランプ大統領が「DEI施策」を次々廃止、一方ニューヨークでは反対の市長誕生などDEI推進派と反対派が激しくぶつかり合っている。日本では初の女性総理が誕生した。高市総理は「北欧諸国に劣らない女性がたくさんいる内閣や役員会・・」と発言していたが蓋を開けると女性閣僚は2人だけ。自民・維新の連立政権だが「靖国派」多数の改憲・タカ派の議員がズラリ。高市総理そのものが超タカ派だけどもね。

  所信表明演説にしても、トランプ大統領との会談でも「日本の政治どうなっちゃうんだろう」と空恐ろしくなる。「日米同盟の新たな黄金時代をつくりあげる」と2027年度軍事費を国内総生産(GDP)比2%、約11兆円に増やす目標について今年度中に前倒しで措置するという。当初予算8兆7千億円を補正を組んで11兆円。教育予算約4兆2千億円の2.5倍だ。トランプ大統領は米国製武器等「新たに多くの注文を受けた」と述べ「感謝している」と話したという。アメリカは軍事費をGDP比3.5% 21兆円規模への引き上げを要求しており、高市総理は大幅増額を受け入れたということだ。米軍大統領専用ヘリコプターでトランプ大統領と東京上空を遊覧するかのように飛行し、米原子力空母の上で並んで立ち演説(安倍元首相はここまでしていない)する写真をみて一国の総理としての品格(?)がとわれるし、従属そのものと受け取れる。今、国会中。どの党が、誰がこれにきっぱりした論戦をしているか、注目しましょう。自民党の政治終わらせるために。(Y)


2025年11月14日金曜日

歴史の岐路、いのちと地球守れ ~新婦人第32回全国大会に参加して~


 11月3日~4日に行われた新婦人全国大会は、全国で繰り広げられている新婦人の多彩な活動が報告され熱かった。高市政権が発足し、かつてないほど平和が脅かされている。沖縄で進む米軍基地強化、住宅地近くにまで建設される弾薬庫やミサイル配備、全国で身近なところに戦争準備が進んでいる。機敏に声を上げ続けている新婦人の活動が報告され平和は声を上げなければ守れないと確信に。維新の政権参加で浮上した議員定数削減がいかに民意を切るか大阪の報告で明らかになった。大阪府議会定数削減で26%の得票で7割の議席を得た維新は、ほぼ審議なしで保健所閉鎖や公立学校つぶしなど行った。国会でそれを許してはいけない。次世代の発言も力強かった。産科がなくなったら困るという身近な要求実現の運動を起こし国会行動も行った。結果、市や県から産科維持予算を勝ち取った。また、学童待機児童ゼロへと請願を出し実現、など声を上げて行動する新婦人があちこちに。小組でやりたいことを楽しく、言いたいことを何でも言える班会、こんなに不安いっぱいの社会だけど、「高市につける特効薬は新婦人」と言い放つ明るさで、いのちと地球を守っていこう。徳島でもパワーアップしよう(o)


2025年11月7日金曜日

映画「黒川の女たち」―なかったことにはできない

 1945年8月終戦を迎えた黒川開拓団(岐阜県の満蒙開拓団)は、集団自決を選択せず、ソ連の侵攻、現地中国人の襲撃から、団を守り生き延びて帰国するため、ソ連軍に助けを求めた。そして、その見返りに、数えで18歳以上の女性たち15人が性接待の犠牲となった。性暴力の実態は筆舌に尽くしがたいものだが、帰国後の差別と偏見、誹謗中傷はさらに酷くトラウマとなり、彼女たちの怒りと恐怖は計り知れない。しかし、長い沈黙を破って、2013年自身が受けた性暴力を当事者二人が実名で顔も出して告発した。「話さなければなかったことになる。隠すことにより卑屈になり、戦争がぼかされ、またも危険方向に行くのを黙ってみていられません」彼女たちの勇気と覚悟が胸に突き刺さる。私はこの思いに応えたい。「ハマのドン」に続き松原文枝監督2作目となるドキュメンタリー映画「黒川の女たち」は戦後80年企画として、徳島でみれない映画をみる会が11月23日(日)シビックセンターで4回上映。松原文枝さんの著書「刻印」に載った当事者佐藤ハルエさんの幾重もの苦難を乗り越えたお顔はとても美しい!ご一読ください。(S)


2025年10月31日金曜日

戦争協力しなければならない 時代にならないように

 「国防婦人会 戦争協力にのめりこんだ主婦たち」という記事を読んだ。国防婦人会は、満州事変の翌年、1932年に大阪で発足。「国防は台所から」をスローガンに、出征兵士の見送りなどを通じて、主婦たちを戦争協力へと駆り立てた。日中戦争、太平洋戦争と戦線が拡大するに従って会員の数は増え、やがて1千万人規模に膨れ上がった。女性に
は、結婚して夫の「家」に入って家事や育児をすることが望まれ、参政権も認められていなかった時代。国防婦人会の活動は、女性が社会へ出て男性と同じように振る舞える数少ない機会でもあった。

 参加した女性たちが、喜びや、やりがいを感じてた一方で(幹部は村長よりも威厳があったという)、婦人会を監督下に置いた軍部の狙いは“夫や子どもが戦死したとしても反戦感情を抱かないように女性たちを教育すること”にあったとされている。母が国防婦人会の幹部だったという梅本さん(91歳)は「いとこ(24歳)が戦死したときに私、嬉しかったんです。うちの親戚で戦死者が出た。これでお国のためになったというふうな気持ちになってね。悲しいというより、嬉しかったんです、戦死が」と言う。日本が負けることを想像すらしていなかったという。戦死が嬉しいと思わせる社会、そうなってしまう事に恐ろしさを感じる。おかしいことをおかしいと言えない同調圧力は今の社会でもあると思う。そんな婦人会ではなく、「戦争から女性と子どもの生命をまもる、軍国主義復活を阻止する」など5つの目標を持って結成された新日本婦人の会は10月19日63歳になりました。今また、トランプに言われるまま「軍事費GDP2%から3.5%に」を約束してしまいそうな高市政権、恐ろしいです。おかしいことはおかしいと声をあげましょう。今ならまだ声をあげられます。(T)


2025年10月24日金曜日

博閉幕 万博が私たちに残したものは

  10月13日、万博閉幕。入場者数2500万人突破、「万博の運営費収支は230億~280億円の黒字となる見込みで、子どもたちが未来を創造する機会になった。」と十倉万博協会会長は胸を張って見せたと報道されています。果たして「いのち輝く未来」の万博になったのでしょうか。入場者数は想定より300万人下回り、入場券販売も目標に届いていません。運営費はチケット収入など黒字と言いますが、警備費(255億円)や途上国出展支援(240億円)などを国費負担に付け替えし、赤字をごまかしています。他に会場建設費(国と大阪府・市と経済界で当初の2倍の2350億円)日本館建設費(国費360億円)、会場へのアクセス・周辺インフラ整備費(国費8
520億円)などの巨額の事業費が結局は国民・住民負担に付け回されます。さらに問題なのは、11の海外パビリオンで30以上の建設業者が未払いを訴えていることです。下請け業者は倒産寸前、死活問題となっていますが、吉村大阪府知事と国・万博協会などは「民民の問題」と責任放棄です。

 物議をかもしているのが「大屋根リング(建設費344億円)」。これを一部残すといいます。世界最大級の木造建築物としてギネスに認定されましたが、そもそも長期の使用は考えずに作られたものであり、その材料はスギやヒノキの集成材やCLT(直交集成板)です。海風・雨・紫外線のなどによる接着層の劣化は加速度的に進むのではないかと思います。改修費と今後10年間の管理費が55億円~90億円かかると試算。万博が残したものは私たちへの大きなツケのようです。(Y)


2025年10月17日金曜日

誰もが自分らしく生きられる社会に ~LGBTQについて考えた

 9月末に行われた日本母親大会の分科会に参加し、主に小学生から大学生のLGBTQの人たちを対象にした居場所支援の活動をしている一般社団法人にじーずの遠藤まめたさんを助言者に、LGBTQについて考えた。初めて知ることも多く勉強になった。NPO法人ReBitの最近の調査では10代LGBTQ52、9%が自殺念慮、19、6%が自殺未遂、42、2%が自傷行為を経験している。また他の調査では10代の当事者の3割超が不登校経験、4割がいじめ被害経験をしているということを聞き心苦しかった。家庭や学校での肯定的環境があることが本当に大事だと思った。最近は、偏見や不安を煽るデマがネットを中心に広がっているなかで、知らず知らずに思い込みで、トランスジェンダーの人を傷つけているかもしれない。周りにいないのではなくて、周りにいても言えないだけ。研究が進み性はグラデーションで、性の多様性が当たり前の時代になってきている。戸籍の性別で生活しているのではなく人間関係で生活している。価値観を押しつけるのではなく「あなたの好きなものを選んでいい」という話し合いができる社会に成熟させること、カミングアウトしても大丈夫だという社会をつくることが大事だと思った。(o)


2025年10月10日金曜日

「翠雨の人」・・・研究者 猿橋勝子の生涯に感銘

 猿橋勝子((1920年~2007年)は、大気と海の放射能汚染などの研究にその生涯をかけ、初の日本学術会議女性会員に選ばれ、自身も「猿橋賞」を創設し、女性の自立と後進の育成に尽力した女性科学者の先駆けである。第5福竜丸の「死の灰」を分析したことをきっかけに核実験による放射能汚染の深刻な影響を突き止め、部分的核実験禁止条約締結に大きく貢献。国際民婦連世界大会で「核兵器のもたらす災害について、誰よりよく理解しているのは我々科学者であり、科学者にはそれを全人類に伝える義務があります。科学者の最も尊い職務は、人類の幸福と平和に貢献することであり、科学を人間の殺戮と文明の破壊に使わせないことです」と演説している。猿橋勝子という生き方・哲学に強く共鳴した。「雨はどうして降るのだろう」と問うた女の子が、キュリー夫人に憧れ化学に一生をかけた生涯を描いた「翠雨の人」一押しです。著者伊与原新氏は、祖父が海陽町出身であり、直木賞を受賞した短編「藍を継ぐ海」は、県南部のウミガメ産卵地が舞台となっていることもあり徳島県にゆかりがある。個人的には、NHKドラマ[空わたる教室]でファンになった。(S)