2025年11月7日金曜日

映画「黒川の女たち」―なかったことにはできない

 1945年8月終戦を迎えた黒川開拓団(岐阜県の満蒙開拓団)は、集団自決を選択せず、ソ連の侵攻、現地中国人の襲撃から、団を守り生き延びて帰国するため、ソ連軍に助けを求めた。そして、その見返りに、数えで18歳以上の女性たち15人が性接待の犠牲となった。性暴力の実態は筆舌に尽くしがたいものだが、帰国後の差別と偏見、誹謗中傷はさらに酷くトラウマとなり、彼女たちの怒りと恐怖は計り知れない。しかし、長い沈黙を破って、2013年自身が受けた性暴力を当事者二人が実名で顔も出して告発した。「話さなければなかったことになる。隠すことにより卑屈になり、戦争がぼかされ、またも危険方向に行くのを黙ってみていられません」彼女たちの勇気と覚悟が胸に突き刺さる。私はこの思いに応えたい。「ハマのドン」に続き松原文枝監督2作目となるドキュメンタリー映画「黒川の女たち」は戦後80年企画として、徳島でみれない映画をみる会が11月23日(日)シビックセンターで4回上映。松原文枝さんの著書「刻印」に載った当事者佐藤ハルエさんの幾重もの苦難を乗り越えたお顔はとても美しい!ご一読ください。(S)


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