2023年10月27日金曜日

初めて知った福田村事件 世論操作の怖さを知る

 映画を観て初めて知った悲惨な事件。関東大震災のとき、「朝鮮人が襲ってくる」などのデマが流布され、一般の市民が武器を持ち虐殺を行ったということは、歴史の事実として知っていた。また社会主義者も、機に乗じて暗殺された。一緒にいた子どもまでも殺害された。当時の日本は、韓国を併合し朝鮮人の人権を抑圧していたから、仕返しをされるという国民の恐怖心をあおり、自警団を作ることを国が推し進めていた。そんな中で、香川県から千葉県福田村に薬の行商団が、村人に朝鮮人と間違われ妊婦を含む9人が惨殺された。洗脳され冷静さを失ってしまうと人間があんなになってしまうのかと恐ろしくなった。「朝鮮人か確かめるまで待て」と止める村長に、行商団のリーダーが「朝鮮人なら殺してもいいのか!」と叫んだ。行商団は被差別部落出身であり、水平社宣言を諳んじるほどの若者もいた。人はみんな平等という当たり前のことが問われる言葉であったが、それが発端となり村人が暴徒化した。最後に女性新聞記者が、「書かないでくれ」と頼む村長に「朝鮮人が暴動を起こすというのはデマだと、新聞が書かなかったからこんな悲劇が起こった。だから書きます」と言った。実際は、隠し通されていたが。今年は関東大震災から100年、防災の報道は多かったが、こんな悲劇も知らせるべき。無かったことにしようとする動きさえある。ますます不都合な真実を報道しなくなったと感じる。しっかりした歴史認識を持ち、過ちを繰り返してはいけないと声を上げよう。(O)

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