2024年8月9日金曜日

被害者の声を聞け‼

 今年5月1日に熊本県水俣市で開かれた水俣病犠牲者の追悼慰霊式のあとの環境大臣と患者団体などとの懇談の場で、被害者の訴えが3分を過ぎるやいなや司会の担当室長は、「お時間でございます」「お話をおまとめください」と繰り返し、マイク音量を落としマイクの音を切りました。水俣病は公式発表から68年経過しているが今なお、公害健康被害の補償等に関する法律や水俣病特別措置法で救済されない多数の未認定者が取り残され、国、県、被告企業を相手に裁判などで闘っている。元々環境庁は、1971年に公害問題に政府が対応する必要性の高まりを受けて、生活環境の保全を目的とする国家行政機関として設置されたもの。なのに3分でマイクオフにするように、シナリオができていた。マイクを切った室長は「悪いとは思わなかった。大臣をお守りすることができなかった」と話したという。職員は被害者ではなく大臣のために働いてるのか!! その後問題は大きく取り上げられ、「環境省は被害者の声を聞け」という動きから、いまだに苦しみ続ける水俣病被害者救済と全面解決を求める大きな世論へと発展している。先日演劇「風を打つ」を観た。水俣病患者でもあった杉本栄美子さんという元網元の女漁師をモデルにその家族の葛藤を描いたものでした。差別を受け、肥えまでかけられた栄美子が水俣資料館の語り部として、自らの言葉で語ろうとする。たくましい生き方。そこまでいくのにどれほどの葛藤があっただろうか。国、環境省の仕事はきちんと話を聞き、そんな人々のために何ができるか考えることでしょう。(T)

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