2024年8月30日金曜日

地震列島に原発はいらない

敦賀原発 新規制基準不適合=再稼働認めず

原子力規制委員会は敦賀原発2号機が「原子炉建屋直下に活断層がある可能性が否定できないとして、再稼働の前提となる新規制基準に不適合だとし、再稼働を認めないとしました。

新規制基準は活断層の上に安全上重要な施設は立てることを禁じています。ここには、とても大きな活断層(浦底断層)が走り、しかも原電自身が敷地内に多数の断層があると認めています。なのに、日本原子力発電(原電)は再申請をすると言います。能登半島地震を教訓にすべきです。廃炉を決断すべきです。

伊方原発訴訟=松山地裁 来年3月判決

伊方原発は1977年から運転開始、今は1号炉と2号炉は廃炉となっています。現在3号炉だけプルサーマル発電で稼働中。

福島原発の事故後、運転差し止めを求めて松山地裁に提訴。

今年6月の弁護団長の最終陳述では、中央構造線活断層地帯による地震が、能登半島地震をはるかに上回る巨大地震を起こす可能性があることを指摘し、「この裁判は、事故が起きてから、裁判官が反省して済むような裁判ではない」と断言しました。

そして「裁判所が本来の使命を果たし、明快な運転差し止めの判決をされると信じている」と締めくくりました。

 来年の春、勇気ある公正な判決を期待したい。    (Y)


2024年8月23日金曜日

民主主義ってなんだ?変えられるという希望

 「映画〇月〇日、区長になる女。」を見ました。2022年岸本聡子さんが初めての女性杉並区長に当選、翌年の劇的な区議選挙までを追ったドキュメンタリー映画です。都市計画道路問題をきっかけに自分事として選挙にかかわることになったペヤンヌマキ監督。今の日本に民主主義はあるのか?と絶望的な気持ちの皆さん、ここに希望があります!選挙戦2カ月前にベルギーから帰国した岸本さんを187票差で当選させたのは「住民思いの杉並区長をつくる会」の個性的な面々とそのネットワーク。どんな区にしたいかタウンミーティングを重ね、激論をかわし、一枚のチラシにもこだわり各人が自分のできること
で応援する。とりわけ“ひとり街宣”に胸が熱くなりました。古くは原水爆禁止運動や「東京ゴミ戦争」「新しい歴史教科書をつくる会」反対運動など住民運動が盛んな一方で、衆議院選挙では2021年まで石原伸晃氏が当選し続ける「自民党王国」でもあった杉並区。選挙を支えたみんなの思いは「住民の声を聞く区長に変えたい」それだけ。当選した瞬間は、万歳ではなく「選挙は続くよどこまでも」の合唱でお祝い。(当選してからも大変)民主主義の学校のような取り組みは、確実に区民の意識を変え、翌年の区議会選挙で現職12人が落選し、新人15人が当選、女性比率50%になりました。思わず、スクリーンに拍手しちゃったよ(S)


2024年8月9日金曜日

被害者の声を聞け‼

 今年5月1日に熊本県水俣市で開かれた水俣病犠牲者の追悼慰霊式のあとの環境大臣と患者団体などとの懇談の場で、被害者の訴えが3分を過ぎるやいなや司会の担当室長は、「お時間でございます」「お話をおまとめください」と繰り返し、マイク音量を落としマイクの音を切りました。水俣病は公式発表から68年経過しているが今なお、公害健康被害の補償等に関する法律や水俣病特別措置法で救済されない多数の未認定者が取り残され、国、県、被告企業を相手に裁判などで闘っている。元々環境庁は、1971年に公害問題に政府が対応する必要性の高まりを受けて、生活環境の保全を目的とする国家行政機関として設置されたもの。なのに3分でマイクオフにするように、シナリオができていた。マイクを切った室長は「悪いとは思わなかった。大臣をお守りすることができなかった」と話したという。職員は被害者ではなく大臣のために働いてるのか!! その後問題は大きく取り上げられ、「環境省は被害者の声を聞け」という動きから、いまだに苦しみ続ける水俣病被害者救済と全面解決を求める大きな世論へと発展している。先日演劇「風を打つ」を観た。水俣病患者でもあった杉本栄美子さんという元網元の女漁師をモデルにその家族の葛藤を描いたものでした。差別を受け、肥えまでかけられた栄美子が水俣資料館の語り部として、自らの言葉で語ろうとする。たくましい生き方。そこまでいくのにどれほどの葛藤があっただろうか。国、環境省の仕事はきちんと話を聞き、そんな人々のために何ができるか考えることでしょう。(T)

2024年8月2日金曜日

異常な円安と物価高 その原因は?

 大門実紀史さんの「どうする、くらしと日本経済」の講演会。円安と物価高の関係、異次元の金融緩和がもたらした円安、それで大儲けして大笑いする大金持ちと大企業。お話の一部を紹介。

 今超円安。この異常な円安と物価高の原因は何か。その一つは海外との金利差。「米国の金利が高いのでゼロ金利政策で金利のつかない円を売ってドルを買い預金に。加えて投機で巨額の円を売りドルを買う」ということで急激な円安になっている。株価を吊り上げ、輸出の大企業は円安で巨額の利益。トヨタ自動車は2023年度5兆円の利益を上げ2兆円を株主配当や自社株に回した。豊田会長の報酬は前年の1.6倍の16億2200万円。もう一つは経済力の弱さ。長期にわたる景気停滞の日本経済。いわゆる失われた30年である。景気停滞の原因は賃金が上がらないこと。トヨタの会長報酬は6割増しに対して労働者の賃金はわずか46億円(利益の0.09%)しか増やさなかった。巨額の利益を上げながら株主配当と役員報酬ばかり増やして賃金を抑え込む大企業。8時間働けばふつうに暮らせる賃金を。少なくとも最低賃金1500円に。食料とエネルギーは外国に依存するのでなく、日本の大地と自然から、そして社会保障にもっとお金をつかう政治を。「社会保障は経済」だ。 (Y)