2024年1月19日金曜日

なぜ女性の政治参加が必要なのか? ―家父長制とケアの倫理―岡野八代さんのお話を聞いて 

 岡野さんといえば、フェミニズムの視点で政治にもしっかり物申す学者で個人的に尊敬しています。まずはケアについて。ケアとは、生きるために必要なものを満たす活動・営み・実践で、誰もがケアという形で他人に依存しています(例えば、生まれたばかりの赤ちゃんや自分で動けない病人はケアなしでは死に至ります)。しかしながら、主に女性が担ってきた無償の家事労働や育児
、介護などのケア労働は歴史的に、家父長制・資本制という仕組みで「自然に伝統的に文化的に女性が担うもの」として意図的に家族の中に押し込められ、不当に蔑まれ、女性は政治から遠ざけられました。岡野さんは、ケア労働を見直し、「ヒトを人間に育て、その人が取り換えの利かない存在であることを自覚させる大切な働きかけ」としてケアの倫理を構築しました。今の政治がまともでないのは、ケア実践のない男性が政策提案者であるから(私はケア労働の中で求められる、人に対する思いやりという視点がないのだと思う)で、今こそケア労働に携わり、ケアの価値を知る女性が政治参加することが必要なのだと力説されました。そのためにできること1,不平不満を政治にぶつけること。2,日本社会は異様な国だと認識すること、男女ともに労働時間が長すぎる(政治について考えるゆとりがない)。3,自分の問題は自分だけの問題ではない~個人的なことは政治的なこと~大いに人と語り合おうというお話に、元気をもらいました。「ケアの倫理―フェミニズムの政治思想」が23日出版されます(S)

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