ドイツ人哲学者、マルクス・ガブリエル氏へのインタビュー記事「コロナ禍の世界 道徳を規準に」を読んだ。道徳というと、礼儀や感謝という規範の押しつけという印象だが、ガブリエル氏がいう道徳には、他者や環境のなかで何が善であるかを常に問うというニュアンスがにじむ。例えば企業が倫理学者を雇い、倫理委員会を作る。倫理委は企業が手掛ける事業が、CO₂排出量などを含め、人間や動植物に与える影響を報告し、最高経営責任者(CEO)は「道徳的に良いか」を基準に判断する。委員には終身在職権を与え、道徳を考慮しないCEOは倫理委の内部告発によって結果的に会社を追われる。その流れが加速することは、人類が直面する危機の回復にもつながると。ただ周囲からは実現は難しいと言われたと。では新型コロナという危機への解決策にもなるか?には「もちろんだ。新型ウイルスのパンデミック(世界大流行)に対するただ一つの道理にかなった反応は『道徳』だ」と答えている。ここで「道徳的に良い」は、感染者を不道徳だと攻撃することではない。「どんなに注意してもウイルスに感染することはあり、それは道徳とは何の関係もない。道徳的な行動とは、誰かが感染したらその人が元気かどうか心配してあげることだ」と。「道徳的に良いかを基準にして、すべての社会はデザインできる」と話したと。これが実現したらどんなにいいだろう。偏見・差別をなくす力にも地球温暖化対策への一歩にもなりそうだ!(アマゾンプライム解約運動もその一つかな)(T)
0 件のコメント:
コメントを投稿