来年度から使用される小学校道徳教科書を見てきた。どれもカラー写真やイラスト満載で他の教科より大判で重い、有名なスポーツ選手を取り上げているというのが、見た目の印象だった。教材の終わりには、「学習の手引き」があり、それに沿って考えたり話し合ったりするようになっている。これは思考の誘導になる恐れがあるし、パターン化され「道徳ではこう答えればいいんだ」という無意識に建前で話す訓練になってしまうのでは?指導要領では「考える道徳」「議論する道徳」をめざすというのだから矛盾。挨拶、お辞儀、日本人、富士山などよくでてきている。教育出版5年「下町ボブスレー」では、ボブスレーに乗った安倍首相の半ページ大の写真がのっていた。道徳の教科書にふさわしい人なのかよく考えて欲しかった。人権や平和について考えることができる教材も多くあるので、決められた徳目としてだけで扱うのでなく、広げたり深めたりして本当に考え議論する学習に活用してほしい。(O)