2025年9月19日金曜日

白寿を迎えた父

 私の父は8月、99歳の白寿を迎えた。耳が聞こえないとか杖がないと歩きにくいとかはあるが、百姓で鍛えた身体は頑丈で元気である。元気とは言え手助けは必要で家族の負担は大きい。2000年4月から介護保険制度が始まり家族の負担を軽減、介護を社会全体で支える目的でできたのだが現実はどうだろうか。高い介護保険料を払いながら介護認定を受けないと介護サービスは受けられず、判定によって利用できないという、あってなきがごときのような制度のように感じる。誰もが利用できるもっと緩やかな判定基準を作ってもらいたものだ。

 訪問介護事業所が一つもない自治体が115町村、残り1の自治体は269町村にもなり訪問事業空白が急増している。徳島県では佐那河内村が0、勝浦町、上勝町、神山町が残り1となっている。

 今、来年度予算編成にとりかかっているが、社会保障や教育、くらしの関連予算についてみると、病床削減や保険給付のあり方見直しなどで削られる一方だが、原発推進を含むGX(脱炭素)分野や大企業を支援するAI・半導体分野は大盤振る舞い。それ以上に軍事費は過去最高の8.8兆円の概算要求。石破首相は退陣、次の内閣がどうなるか。与党過半数割れしている今こそ、私たちの要求が通る国会論戦で予算を立ててほしいものだ。安心して長生きできる社会でないと生きてるかいがない。(Y)


2025年9月12日金曜日

スフィア基準を満たして、尊厳ある避難所生活を

 9月1日は、死者行方不明者10万5000人を出した関東大震災から102年。南海トラフ大地震が今後30年以内に80%の確率で起きるといわれている。地震列島日本の避難所生活は安心できるものになっているだろうか?私が心配なのが「トイレ」。日本トイレ研究所(地道に研究しているんです!)によると、能登半島地震で避難所に仮設トイレが3日以内に設置されたのはわずか10%。行きにくいために水分を我慢すると脱水や熱中症、感染症に。悪化すると災害関連死にもつながる。特に女性は利用時間が男性の3倍という統計があり、国際的には「スフィア基準―災害の被災者が尊厳ある生活を送ることを目的に定められた基準」で、男女比1:3のトイレ数が必要とされている。8月18日の徳島新聞によると全国の避難所の49%がトイレ数基準を満たしていない。(鳴門・小松島・勝浦・松茂以外は満たしているー板野・佐那河内は未回答)スフィア基準では20人に1つだが、日本は避難者50人につき1つの便器数で全く足りない。因みに、携帯トイレの備蓄は、1人35個(S)


2025年9月5日金曜日

第65回徳島県母親大会記念講演を聴いて

8月31日の第65回徳島県母親大会記念講演「子どもと教育もやもや・そして希望」講師の鈴木大裕さんのお話は、共感することが多かった。今の新自由主義的な教育が教師も子どもも親も苦しめている。しかも、なんとなくもやもやするけど、○○についてどうしたらいいの?と議論して決めたことのように思い込まされ、日々それを実行しているからどんどんもがきながら進んで行っている。だから、思考も停止してしまい本質を見失う。講演の中で引用されたノーム・チョムスキーの『民衆を受け身で従順にする賢い方法は、議論の範囲を厳しく制限し、その中で活気ある議論を奨励すること』という言葉が、今の「学力向上のために」という議論と重なった。学力とは何かという議論がないまま、学校スタンダードだの、個別最適化学習だの、GIGAスクールだのやっている。アメリカの学校の写真に、個別に仕切られたまるでオペレーションセンターのような教室があった。子どもが向かうのは一人1台のタブレットである。アメリカの後を追う日本の公教育の未来の姿だとしたら悲しい。教師が一人ひとりの子どもに寄り添って人格の完成という本来の教育ができるよう、まずは、先生増やして!子どもの自由な時間をとりもどして! (o)