2024年6月28日金曜日

「海の中から地球が見える」 気候危機の現実に愕然


 プロダイバーで環境活動家の武本匡弘さんの著書「海の中から地球が見える~気候危機と平和の危機~」を読んで愕然とした。沖縄の海に魅せられダイバーとして40年間活動してきた武本さんが、ここ20年ほどの海の悲しい変貌をカラー写真を交えながら書いている。同じ場所の写真なのにこんなに変わったのかと驚く。例えば2010年3月の江ノ島は海水温12度だった。海藻が茂り森のようだ。そして、同じ地点の2020年3月、水温16度海藻は全く生えていない岩だけとなっていた。海藻がなければ魚はいなくなる。沖縄の海は珊瑚礁がここ20年でほぼ壊滅状態、オーストリアやグアムなどの海も同じ、生物多様性は失われていくばかりである。気候危機に加え軍事基地や戦争による自然破壊も進んでいる。辺野古の埋め立てでどれだけ山を削り海を汚しているか、また、核実験で放射能汚染されたマーシャル諸島の海も・・・。このまま成り行き任せではいけない。私達は「見えないものを見る力」想像力を広げこれから地球で生きていく人々のために、しっかり声を上げ続けなければ。武本匡弘さんは、9月1日に徳島県母親大会の全体会で講演予定。(O)


2024年6月21日金曜日

リプロダクティブ・ヘルス&ライツを考えた


  6月1日合計特殊出生率が2023年1,20と発表された。連続8年減で過去最少。国はちっとも実のない「異次元の少子化対策」で何とか子どもを産ませようとするけど、はたして安心して産める社会か?今年は、1994年にカイロで「リプロダクティブ・ヘルス&ライツ」という理念が提唱されて30年。どんな人にも自分の体のことを自分で決められる権利がある。子どもを産むか・産むならいつか・何人産むか、妊娠・中絶も含め自己決定権があるのだ。映画「コール・ジェーン」では、シカゴで60年代~70年初めに中絶を提供した女性たちが、1973年アメリカ連邦最高裁判所に人工妊娠中絶を女性の権利として認めた「ロー対ウェイド判決」として実を結ぶまでの闘いが活写されている。あれから49年後の2022年。残念ながらこの判決は覆され、2023年9月時点、アメリカ14州で「中絶をほぼ全面的に禁止する法律」ができている。一方、5月29日日本の最高裁判所大法廷では、旧優生保護法で不妊手術を強制された被害者の口頭弁論が行われた。産みたくても産めず、自分で決められなかった理不尽への怒りと苦しみ。「日本では、100年以上も前の家父長制時代の刑法堕胎罪と、70年以上も前の戦後の混乱時につくられた優生保護法における中絶違法阻却要件に今も日本の女性たちは縛られている」と新婦人しんぶんでおなじみの塚原久美氏は指摘している。いつになったら、自分の体のことを自分で決められる?(S)


2024年6月14日金曜日

子ども食堂で自衛隊が募集広報とは!!

 最近気になった二つのニュース。①文部科学省・中央教育審議会大学分科会の「高等教育の在り方に関する特別部会」で伊藤公平委員(慶応義塾大学長)が国公立大学の学納金(学費)を年150万円程度、現在の3倍近くに引き上げることを提言したという。日本の学費は諸外国に比べて安いからと。(諸外国ってアメリカのことだろう。ヨーロッパは無料のところが多い。ちなみにこの方、幼稚舎から慶応義塾に通い、慶応大を卒業後カリフォルニア大学バークレー校で博士号を取得している)実際、東大は値上げを検討していて「大学行政の現状に抗議する学生有志」が値上げされたら大学をやめなきゃならないと値上げ反対の声を上げている。②北海道の子ども食堂へ自衛隊がやってきて、活動を紹介し、自衛隊への就職も考えてくださいとPRしたという。(法律違反じゃないのかと問題になった)子ども食堂につどう子どもたちはなにがしかの事情を持っている。そこでPRとは!!! この二つのニュースはつながっているように思う。若年労働者は不足していて、徴兵制はできない。ならば経済的徴兵制を‼ということか。

 岸田首相は「賃金と物価の好循環」と言いながら物価をあげてきたが、国内物価は4.1%上昇したのに賃金は0.3%しか上がらず残りはすべて企業の利益となっている。ますます格差が広がり経済的徴兵制へ向かって行きそう。止めなければ!!(T)