2025年7月25日金曜日

日本に求められる包括的差別禁止法

  日本では、なぜ差別的な発言をしても、うやむやにされてしまうのか不思議に思っていた。罰則がないのだ。欧米では長い年月をかけて人権重視の法律を作ってきた。包括的にあらゆる差別を許さない包括的差別禁止法があり、人権についての救済機関がある。極右政党ができてもそれを許さないストライキ・市民運動ができる。

 ジャニーズ問題の時、相談できる場所がないことが問題になった。度重ねて国内人権機関(NHRls)の設立を国連から勧告され、日本政府はそのフォーローアップを受諾しているが、実行されていない。(政権与党は自らが差別的発言を繰り返している張本人だからだろうか)罰則がないせいで人権がちょっとだけ大事にされると、ひどいバックラッシュが起こってくる。 

 日本でできた法律は1986年男女雇用機会均等法(男女平等という言葉を使いたくないのか)、1965年に国連で採択された人種差別撤廃条約に30年後の1995年にやっと加入はしたが、法律は作らない。2016年やっとできたのがヘイトスピーチ解消法(禁止ではないので罰則がない)。2011年LGBTの人権に対する国連決議が採択され日本もオリンピックを開催するため賛成したが法律は作らない。2023年にできたのがLGBT理解増進法。他には2013年障害者差別解消推進法、2016年部落差別解消推進法、差別禁止法が一つもない。(理解増進とか解消推進て法律になじむのだろうか?)禁止法にすると罰則を作らないといけないから作らない。罰則がないから差別を正当化する政党が躍進するのだ。誰しも差別的な気持ちはあると思う。だからこそ包括的になにが差別か国として禁止法を作らなければならないと思う。誰しもが、被害者にも加害者にもなりうるのだから。(T)


2025年7月18日金曜日

ためこむばかりじゃ経済はまわらない 大企業と超大金持ちから応分の税金を

 世界人口の約半分の37億人超が貧困に苦しむ一方で、最富裕層1%は2015年以降10年間で33兆9000億ドル(約4895兆円)の富を得たと国際NGOオックスファムが報告書で指摘。富の半分以上を超富裕層1%がもち95%が半分以下という極端な経済格差。この克服には富裕層増税が不可欠だと述べています。ノーベル経済学賞受賞者7名が「超富裕層に課税を」と仏紙ルモンドに掲載。資産10億ドル超の富裕層(ビリオネア)の課税率は平均的な納税者よりも低くなっており、公正な負担を課すことは必要であり可能と各国で富裕層に対する最低課税制度の導入をと訴えています。世界の約3000人のビリオネアの富に2%の最低課税を課すだけで約2500億ドル(36兆4000億円)の税増収。国連NGO「350・org」は富裕層が引き起こしている気候変動の被害への責任をとらせ、貧富の格差を是正するための「重要な解決策」だととりくみを歓迎しています。

 日本でも所得が増えれば増えるほど税金は高くなるはずなのに所得税が1億円を超えるとだんだん安くなる、いわゆる「1億円の壁」があります。もう一つは大企業への減税バラマキ。法人税実質負担率は、大企業は10%なのに中堅企業(20.6%)小規模企業(18.5%)より低い。大企業・大株主・超富裕層への減税は年11兆円にものぼります。ここを正せば財源は生まれます。

 買い物するたびにかかる消費税。 消費税なくせばこどもも高齢者も・だれでも減税。食料品も電気代もスマホ代も・なんでも減税。もうけに応じて税金を集めれば、財源はある。 (Y)



2025年7月11日金曜日

参院選で、しっかり選択 医療崩壊を止めよう

 先の国会で、自民・公明・維新で「医療費4兆円削減」を合意し、その第1歩として、「11万床の病床削減」計画を打ち出した。曰く「余剰ベッドの削減」。ちょっと前に起こったコロナ禍を忘れたのかと言いたい。ぎりぎりで経営していた医療現場に無理難題を押しつけ、医療崩壊から起こる悲劇が多々あった。感染症などの有事に対応するために余力のある医療体制を整えなければいけないという教訓が全く生かされていない。医療報酬が低く抑えられ、看護、介護の人手不足がますますひどくなっているときに、この上予算削減したら地域から病院がなくなってしまう。徳島県は75歳以上の医師の割合が全国1位、35歳以下の医師のそれは下から2番目なのだから。また、OTC類似薬の保険外しをしようとしている。一部の薬の出し過ぎという事例を取り上げ、市販薬で間に合う薬は保険適用から外すという。アトピー性疾患や、アレルギーなどの患者がよく使用する薬が何倍もの値段で買わなければならなくなる。子ども医療費は、保険適用の診療だけに限られるので、子ども達の薬が高額になってしまう恐れがある。また自分で判断して薬を買うことで、副作用や過剰摂取の危険もある。国民の命に関わる予算を削って手柄のように訴える政治家にはNO!を。(o)


 

2025年7月4日金曜日

老朽化進むインフラに予算を使って!

 家を建てて40年弱。初めて流しの排水口点検修理をした。90%近く詰まっている排水管を見せられて納得。これではスムーズに流れないわ。ほんとメンテナンスって大切!個人的な事だからいいけど、これが国レベルとなると大きな事故につながることもある。高度成長期に建設された道路、橋、下水道などインフラの老朽化が進み、下水道管破損による道路の陥没は年間約2600件にも。今年1月の埼玉県八潮市の道路陥没事故は記憶に新しい。雨水と比べて汚水が流れる下水道管は有毒ガス発生のリスクもあり点検は難しい。人も時間もお金もかけてのメンテナンスが必要だ。1995年に6万2千人いた水道職員は22年には3万9千人に激減。50年を経過した下水道管の割合は42年に40%に、橋は75%、トンネルの53%が40年までに50年を超えるという。水道事業は地方自治体の仕事で厳しい財政の中では水道料金の値上げにもつながる。国は不要不急の大型開発でなく、安心して生活できるインフラ整備に予算を使って地方自治体を支援してほしい。軍事費GDP比5%なんてもってのほか。(S)