2021年1月7日木曜日

3.5%の一人として加わって未来を変えよう! 斎藤幸平―人新世の「資本論」を読んで

 「人新世(ひとしんせい)」とは、人類の経済活動が地球を破壊しつくす時代のこと。今、深まる危機を止める道筋を世界的に注目される俊英・斎藤幸平氏が教示。際限のない経済成長を追い求める資本主義を超克し、平等と持続可能性を実現するその唯一の解決策は、「脱成長コミュニズム」というシステムを構築すること。脱成長コミュニズムの柱は5つ①使用価値経済への転換②労働時間の短縮③画一的な分業の廃止④生産過程の民主化⑤エッセンシャル・ワークの重視。
そして、現代の危機に立ち向かう新しい理論的武器になっているのが晩期マルクスの膨大な「研究ノート」。斎藤氏も加わる新しい「マルクス・エンゲルス全集」刊行が100巻を超えるというから遠大な計画だ。

 さて、3.5%とは何か?政治学者の研究によると3.5%の人々が非暴力的な方法で、本気で立ち上がると、社会が大きく変わるという。斎藤氏は資本主義と気候変動の問題に本気で関心を持ち、熱心なコミットメントをしてくれる人々を3.5%集めるのはなんだかできそうな気がしてこないだろうか。と呼びかける。草の根からの運動を続ける私たちに元気をくれる一冊。である

ちなみに今月のNHK[100分de名著]は「資本論」解説は斎藤幸平氏。(S) 


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