2019年5月30日木曜日

ぼけますから、よろしくお願いします


  87才の認知症の母を95才の父が介護する。その二人の日常を淡々とカメラに撮る一人娘の信友監督。自分の体と頭が思うようにならない母のいらだちと悲しみ、それを支える父、両親に寄り添った1200日の記録。初めてのデイサービス、介護ヘルパーの受け入れなどリアルな実態も描かれている。が、全然暗くない。95才にして初めてのリンゴの皮むき、洗濯、掃除にチャレンジする父がとても愛おしい。耳の遠い父は新聞を読みながら鼻歌を歌う。「あんた、コーヒー飲むかい?」「飲む!」コーヒーを淹れるのは、父の役目。60年連れ添った二人と娘が交わす広島弁がやさしい。このほっこり感が深夜のドキュメンタリー番組が映画化された要因かもしれない。たくさんの人に見て、優しくなってほしい。6月29日(土)シビックセンターで3回上映されます。 (S)                     


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